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子どもたちを見守る力 ~とある幼稚園のお話~

「らくちゃん、つぎはなにぐみ?はこんであげるよ。」

 

音楽の時間がおわると、いつも声をかけてくれる子どもたち。音楽の荷物から私の私物まで、ぜんぶ次のお部屋までみんなで運んでくれるのです。

 

音楽表現の指導に行かせていただいている幼稚園。この園はたてわりクラス。つまり、3歳児から5歳児までが同じクラスで過ごします。

 

 

「〇〇ちゃんと〇〇ちゃんがこれとこれをもって、〇〇ちゃんはこれにしとき!」

 

外でよく見る光景は、大人が子どもたちにこのような言葉をかけます。しかしこの幼稚園はこの言葉を、子どもたちがかけあっているのです。

 

これは先生方の素晴らしい見守り力の結果。

 

そして先生はいつも子どもたちに、こうおっしゃいます。

 

「気をつけてね。あとのみんなは待っていようか。」

 

大人ははやく解決したり、きれいに解決したりすることを知らず知らずのうちに子どもに求め、つい手出しや口出しをしてしまいます。しかし、子どもの力を育てるには、大人が思う時間の少し先まで待ってあげなければなりません。

 

 

『自ら考え、行動する力』

 

子どもたちがはばたいていく社会で、これから一番求められる力でしょう。

 

この園の子どもたちはこの大事な力を、3年間でたくさん育てていただくのだろうと思います。

 

 そうそう!この日はなんと、子どもたちは『おちゃかい』だとか。。。自分たちでクッキーをやいて、えほんの世界のおちゃかいを、みんなで楽しむそうです。なんてすてき!!