「自分の事より誰かの事を思える強さ」
今回の台本づくりで、子どもたちから学んだことでした。
子どもたちと台本を創りはじめ、7作目。
今回のタイトルは「未来のおんがえし」
寒い雪の中、果てそうになった命を助けてもらった猫。
そして命を守る事だけを考え、猫に寄り添う飼い主の少年てるお。
そして、助けてもらった事をしっかりと記憶に残し、数年後、転校先で学校に入れないてるおを助けようと奮闘する猫。
切なくも温かいストーリーに、子どもたちの心の育ちが感じられ、日本もまだまだ大丈夫!と安心しました。
子どもたちから出てくる、子どもならではの発想力豊かな意見、ストレートな言葉、大人は絶対思いつかないであろうストーリーの展開。
これを全部お客様に伝えたい!
そう思うと、台本の編集にも毎回力が入ります。
『伝える』・・・ほんとうに難しいですね。
子どもたちの想いが、お越しいただいた皆様の心に届いていたらいいなぁと思います。
今年も危険な大道具運びのサポート以外は、スタッフは全員客席から観劇。
劇は子どもたちだけで進めます。
小学生の子どもたちは、「本番」というものがどのようなものなのか分かっていますが、幼児の子たちの中には、想像できない子もいます。たくさんのお客さまにびっくりして、自分の役割ができないかもしれません。また客席にいるお父さんやお母さんを見つけて、走って行ってしまうかもしれません。
小学生たちはあらゆる場面を想定し、幼児の子たちの対応について話し合います。
走って行ってしまった子を、無理やり抑えて連れてくることは意味のない事だと子どもたちはわかっているので、本番の自分の役目を果たしながらも、その子たちが戻って来れそうなタイミングを常に気にし、「今!」という時に、上手く声をかけ、連れてきます。
しかし幼児の子たちも、今まで一緒に劇を創ってきたので、「協力しなければ」という気持ちがあるようで、小学生の子たちが誘いに行くと、すっと戻ってきます。
このような繰り返しで、劇創りの中で子どもたちは深く繋がっていきます。
数年続けている子は、本番、言葉がなくても、周囲の動きや相手の動きを見たり感じたりしながら、自分の動きを考えたり、幼児の子に声をかけたりできるようになります。
常に、「自分」だけではなく「周り」に意識を向けられる子どもたちは、社会に出てもきっとさまざまな場面で活躍できると信じています。
今年も温かい応援をたくさんいただきました。
お越しいただきました皆様、お見守り頂きました皆様、本当にありがとうございました。