自分たちで創り、自分たちで完結する舞台。
これを目指し7年、劇団をやってきました。
題材から子どもたちで決め、劇を創り、本番も子どもたちだけでやり遂げる。
そしてありがたいことに、年に一度、劇を発表するだけでなく、これまでさまざまな場所からお声掛け頂き、子どもたちはいろんな舞台を経験させていただきました。このことで子どもたちは多くの刺激を受け、いろんな力がついてきました。一番は問題解決力。
子どもたちはいつも舞台を冷静に見ています。「緊張する」という言葉は出てきません。みんなでステージを成功させるために、今自分がやるべきことは何か。目的をいつも見失わず、舞台に取り組める力がついてきたと強く感じます。
先日はATC様主催の『クリスマスこどもコンサート』に出演させていただきました。
今週末公演予定のミュージカルから、オリジナルソング一曲と、オリジナルクリスマスソングをトーンチャイムで演奏、そしてクライマックスのダンスを披露させていただきました。
実は体調不良などで、当日は二人欠席。
それが直前にわかり、準備してきたトーンチャイムは急遽担当を変更して演奏しなければならなくなりました。
一音ずつ演奏するトーンチャイム。
ひとり抜けると音楽にはなりません。
私は前夜に焦り、音楽講師と子どもたちに30分前集合を伝えました。
音楽講師も対処を考えてくれていました。
しかし、集合して、子どもたちに欠席者の事を伝えると、
「わかった。」
と高学年の子どもたちが、自分たちで勝手に担当する音の変更を行い、小さい子どもたちに教え、演奏したのです。
たった30分で新たな演奏体系に変更し、舞台に立てる子どもたち。
トラブルばんざい!
とは常に伝えてきたものの、ここまでの力がついていることに驚きました。
そして何事もなかったかのように、演奏をはじめる高学年を見て、低学年・幼児の子どもたちも、何事もなかったかのように、舞台で演奏できるのです。
いつも思います。
子どもを育てるのは大人ではない。
子どもを育てるのは子ども。
子どもならではの柔軟さ、そしてこの時期に様々な経験で常に前に進む力をつけてきた子どもたち。
何が起きても、きっと冷静にまわりをみて、どうすればよいかを考え動ける大人になってくれる。
感じて考えて行動できる力。
この力を蓄え、将来社会で強く生きていってほしいと思います。
いや、きっとこの子たちは大丈夫。
さまざまな方法を試しながら、時に人と協力し合いながら、自分の道をしっかり生きていってくれるだろう。
そう確信できます。