先日、延べ3日間にわたるワークショップが終了いたしました。
今回も多くのの皆様にご参加いただき、うれしく思っています。
【造形】【役者】とそれぞれ2日間という短い間でのワークショップとなりましたが、この経験が参加されたみなさんの今後の生活の一助となれば幸いです。
”ワークショップ”というと、ファシリテーターとなる大人が前に立ち進行運営することが思い浮かぶことが大多数だと思います。
しかし、わぉ!でのワークショップはひと味違います。
今回、参加者をサポートし、場の舵取りをするのは、大人ではなく、小学3年生から中学1年生の”劇団わぉ!”のメンバー。
劇団を立ち上げて10年以上。通常の劇団の活動を通して、わぉ!の子どもたちの、全体を視る力、活動を進めていく力、そして、目の前の相手に寄り添い一緒に考える力が格段と養われてきたことを実感しているここ数年。
昨年度より、全体の演出以外は、『子どもによる子どものためのワークショップ』を行うことにしました。
子どもの世界をつくるには、大人が関わらないことが一番です。
『はやく、見た目よく』ではなく、『ゆっくり、子どものペースで子どもたちでできること』。
これこそ、子どもの世界がリアルに表現された作品となります。
子どもたち同士が教え合うそして学び合う場をつくることができれば!との想いで今回も開催の運びとなりました。
開催するにあたり、1ヶ月ほど前からわぉ!のメンバーは会議を重ねてきました。
1番心を寄せた部分は、いかに参加者が心身共に安心安全に参加できるのか?ということです。
参加者が会場入りするところからのシュミレーションをし、いつ自己紹介するか?名札があった方が良いのか?などなど話し合うことは盛りだくさん。
もちろん、準備物や進行運営に関することも確認します。
1日目終了後に振り返りもするなど、情報の共有・反省点を次にどう活かすかなど時間がいくらあっても足りないほどこのワークショップにかけてきた“熱”はアツイモノとなりました。
課題や困難も多々ありましたが、くじけることなく、自分も!みんなも!楽しく!過ごす!という熱が伝わってきました。
そんなわぉ!のメンバーとともに過ごす参加者の子どもたち。
初めは緊張したり、お母さんお父さんと離れがたかったり・・・と、戸惑いもあったことと思います。
徐々にそれぞれの子どものペースで参加できる形で世界に入り込むことができた姿がみられました。
役者を担当する子どもたちは、身体をつかいめいいっぱいに表現することにチャレンジ!
造形を担当する子どもた、絵の具を使用しダイナミックに、画用紙や割箸などを使用し繊細に、道具づくりにチャレンジ!
緊張していた子どもたちも、ゆっくり進めていく時間・空間に、「ここはなんだか安心できる場所」と感じてくれたのではないでしょうか。
実際、また会えることを楽しみに2日目を迎えた参加者や、終了後は離れがたいと感じている参加者の声をいただきました。
そして、本番!!
2日間でつくる劇なので、全体の通し練習はリハーサルの1回だけ。
1週間前に手にした台本、耳にした歌、を懸命に自分の中に取り込み、表現しようとする姿が印象深かったです。
そして劇中、自分がするべき、できる役割を果たそうとする姿が素敵でした。
最後の円になり、テーマソングを歌った一体感あふれる場面は感動的でもありました。
本番は、予期せぬハプニングは起こります。それはどれだけ練習を重ね、想定されることを考えても起こることは起こります。
しかし、そのような場面で問われるのが、参加している全員がお互いを感じ、連携をとるという団結力なのかもしれません。
毎回、感じるのですが、本番の対応力は、大人よりも柔軟な頭と心をもつ子どもたちの方が、断然あるのかもしれません。
初めて顔を合わすメンバーで短期間でつくりあげるということがどれだけ難しいことか、大人になればなるほど感じることだと思います。
しかし、同じ思いをもっていれば、困難は乗り越えることは可能であるし、子どもの世界においてはそれは子ども同士でしかできないことなのかもしれません。
ドキドキするけど、そこにワクワクもある そのことが子どもたちの原動力なのでしょう。
子どもたちの可能性を信じ、見守ること。そして、いまの子どもを感じ、課題を見つけ、次のよりよい場を提供すること。
これが、大人の大きな役割なのだと、改めて思いました。
また、同じような場を今回以上によりよい場を子どもたちに提供できるように、大人も日々チャレンジしていきます!!
自分で道を探し、自分で方法を考え進む経験は、これからの未来で生きる子どもたちに確実な力になると考えています。
この社会で、いかに自分らしく、楽しく生きていけるか。
今日を、つづく明日へと、子どもも大人も1日1日を重ねていけることが大切なことなのかもしれません。