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『楽ちゃん』

本日ピアノひろばに体験の方がいらっしゃいました。

その方が、「年一回、息子の小学校が出している保護者の方の文集に、『楽ちゃん』というタイトルの文がありました。これって、らくちゃんのことですよね?」

と言われ、ビックリ!

 

昨年度、とある小学校で、各家庭に配布された保護者の方々の文集に、なんと、私のことを書いてくださった方がいらっしゃったのです!

どんな文章か知りたく、早速ご本人に連絡し、送っていただきました。

 

 

 

 


『楽ちゃん』

それは娘が習っているピアノの先生の名前です。出会いは娘が2才になる直前、引っ越したマンションの集会室で開催されることとなったリズム体操の先生としてでした。

 

とにかく、いつも明るくて元気で毎週参加するのが楽しみでした。娘は積極的に参加するタイプではなく、どちらかと言えばみんなの活動を遠巻きに見て「これなら楽しそう、行けそう」と判断したら入って行くタイプ。親としてはどんどん積極的に入っていって欲しいと思う気持ちはありましたが、楽ちゃんはどの子の事も良く見ていて無理強いはしません。


幼稚園の入園にともないリズム体操は卒業になりましたが、ご自宅でピアノのレッスンをされているとの事でしたのでお世話になることになりました。

も子どもの頃にピアノを習っていましたが、何故か音大を目指すような子どもさん達が通う本格的な先生に習うことになり、才能なし、ピアノが好きでもない私にとっては地獄以外のなにものでもなく、六年程通いましたが上達することもなくピアノが嫌いになっただけで終わりました。私に才能も努力する気持ちもなかったことが一番の原因なのは今となっては明らかです。それと比べてはいけないのかもしれませんが、楽ちゃんのピアノは本当に自由で楽しそうです。娘がレッスンで「今日はピアノ弾く気分じゃない」と言えば、ピアノの練習はせず他の活動をし、時には人生相談までしている始末。私に似てピアノの才能はありませんが、とにかく音楽が大好きになってくれたことが嬉しいです。

 

そんな楽ちゃんと私の子育ては真逆と言っていいぐらい違います。彼女には現在中学生と小学生のお子さんがいらっしゃいますが、彼らを幼い頃から家族の一員と認め、出来るお手伝いは全て任せておられました。私はと言うと、何でもかんでも手を出してしまい自立には程遠い状態です。そんな状態でも楽ちゃんは私の子育てを褒めてくれました。

子どもが小さい時は誰でも自分の子育てに自信がなくなり、不安になる時があると思います。そんな時、楽ちゃんにもらった言葉は本当に自信になりました。

娘にとってはもちろん、私にとっても先生との出会いは宝物です。
娘があと何年ピアノを習うのかはわかりません。娘がピアノを卒業する日が来たら、次は私が再挑戦してみようかと思います。


 頂戴した文章を読ませて頂きながら、彼女と積み上げてきた大切な時間がよみがえり、涙が止まりませんでした。

お母さまとは彼女が2歳の頃に、私が開催しているリズムたいそうひろばで出会いました。

幼稚園の年中さんからは、ピアノひろばの個人レッスンにくるようになり、依頼10年ほどのお付き合いになります。

毎週片道30分ぐらいかけて、車で私のピアノひろばまで、お子さまを送ってくださり、1時間後にまた迎えに来てくださいます。

そのおかげで、週一回のペースで彼女と顔を合わし、2人だけの貴重な時間を過ごすことがてきました。

「まったく練習していません、すみません。」とよく謝ってくださっていましたが、私のピアノひろばは、練習はしたくなったらするというスタイルなので、それもご理解いただき、お母さんも見守っていただけたのだと思います。

そのため、彼女はいつも楽しそうにピアノに向かいます。

 

彼女とのトークの時間も楽しくて、毎回終わりません。

幼少期から、いつも自分の気持ちとしっかり向き合えるお子さんで、感じたり思ったりしたことは、ストレートに言葉として表現されるので、私も昔から彼女と話をするのがとても楽しみでした。

反抗期、思春期、いろんな時期がありましたが、いまはいつもそばに居るわけではなく、適度な距離だからこそ、お互いにいろんな話ができる、ある意味最高の関係なのかもしれません。

そのため、レッスンに来ても、とにかく話しが止まらず、時計をみていつも「あかん!ピアノピアノ!」と焦りながら弾きだします。

しかし演奏が始まるととても自由で、指番号なんて超テキトウで、でも自分の好きな曲を、自分らしく、ほんとうにのびのびと楽しそうに演奏するので、しばらく彼女が繰り広げる音楽の世界を一緒に楽しませてもらいます。

『音楽ってこうでなくっちゃ!』と、彼女の演奏を聴きながら、毎回思います。

 

子どもたちは、どの子も豊かな表現力をもっています。

それを「引き出してあげる!」なんて大きなことは絶対に言えません。

でも、「どうぞご自由に~」と、子どもたちがまったくストレスなく、自由に音を奏でられるピアノひろばになればいいなぁ~、といつもいつも思っています。

 

ありがとう。