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人は必ず人と助け合って生きている ~絵本『ばあばはだいじょうぶ』を読んで

先日、作家 楠章子さんの『ばあばはだいじょうぶ』という絵本を読み、心を打たれました。

 

ばあばが大好きな小学生の男の子つばさ。

しかしあるとき、ばあばは認知症になり、いろんなことがわからなくなっていく。

とうとうつばさは現状を受け止められなくなり、徐々にばあばの部屋から離れていってしまう。

しかしある日戸棚の引出を開けると、そこにはメモ書きがいっぱい。

「めいわくかけてすみません」「デイサービスは10時におむかえ」「つばさはやさしいこ」「トイレは二かいのおく」

 

忘れてはいけないこと、忘れたくないこと、でも忘れてしまうこと。

ばあばの思いに気付いたつばさは、またばあばに寄り添うことができるようになる。

 

今日はできている。でも明日はできるか誰にも分からない。

誰にでも起こりうることだと思います。

けれど、ほとんどの人は今日と同じ明日が来て、明日と同じ明後日が来る、と信じています。でもやっぱり明日は誰にもどうなるかわからないのです。

 

人はみんな一人では生きられない。

必ず誰かの世話になり、助けられながら生きているはずです。

 

『人は必ず人と助け合って生きている』

 

スマホひとつで、様々な問題が解決できてしまう世の中ですが、子どもたちにはいつまでも人の温かさを感じながら生きていってほしいと思うのです。